グランプリ神戸への道②(ホントはGP前に書くつもりだった)
2011年5月2日 TCG全般ついに始まる…、
まどか★マギカの最終回放送!
などと、つい現実逃避したくなるのも、無理からぬことだろう。
まさに目と鼻の先へと差し迫ったグランプリ。俺は未だに自分のデッキを決めかねていた。渾身の(?)デッキであった、「Ad Affinity」が紛れもなく嘘リューションだった衝撃は大きく、一体どんなデッキを使うべきか、答えが出ない…。
フェアリー?ヴァラクート?
被災地を除き、県知事選から市町村議選のコンボを要するいっせい地方選挙が各地で取り組まれ、その煽りを受けて全く練習ができない。
果てはミサワ化して「休みないわ―、まじ俺今月休んでないわー」などと言い放って、周囲のヒンシュクを買う毎日である。そんな状況であてがいぶちにメタデッキを使ったところで、一体どれほどの結果が残せるというのか。
特にフェアリーについては、使えば使うほどうまくなるデッキだと聞く。裏を返せば、練習なしでうまくいくとは全く思えない。
流れゆく水のように、ただただ時だけが過ぎ行き、焦燥感が身を包む毎日。
そんな時、一件の明るいニュースが舞い込んだ。
「みつひでがPTQを抜けた」。
昨年度から日本選手権初日全勝、世界選手権出場、そしてプロツアープレイヤーへと成長しつつある彼を見て、ニート、ニートと囃し立てる者は、もういない。もはや、関東草の根を代表する若手プレイヤーの一人と言っても過言ではなかろう。
特に、彼がPTQを突破したデッキには目を見はるものがあった。白単に大胆にも青をタッチし、ヴェンディリオン三人衆と青コマを叩き込む。なるほど、と思った。
そこで得たものは、鷹および石鍛冶エンジンの強さを再認識したこと。特に、戦隊の鷹がエクテンレベルとは思っていなかっただけに、その構成は衝撃的だった。同時に、エクテンにおけるCaw-bladeが一線級のデッキパワーを持っている、という情報も遅まきながら入り、この間調整を進めていたスタンのCaw-bladeをエクテン仕様へとマイナーチェンジを施す。
しかし、遊びで回してもらったいっちーの白単に圧倒的な敗北を喫し(0-5)、晴れる屋大会でもフェアリー、同型に相次いで負け。
残念ながら、調整してどうにかなるレベルではない気がする。ピン除去が強く、それに対抗するかのように多くの生物を並べまくるエクテン環境は、スタンの微調整程度で乗り切れるものではなかった。そう認識を改め、新たなデッキの可能性を模索する。
だが、Ad Affinityが駄目、Caw-bladeが駄目という体たらくである…。次なる調整のネタもなく、なんとなくDeck checkで既存のアーキタイプの確認を行う。そこで、ふと目に留まったデッキ、それは浅原晃氏が世界中の度肝を抜いた、青黒変身であった。
そして、浅原晃氏と言えば、イニシャルAA。俺が最初に手を付けたデッキも略称AA…。この二つの符号が意味する物は、一つ…っ!!
何か運命的な物を感じ、青黒変身を回してみる。現在に再び姿を現したことにより、生体兵器という新たな剣を手に、青黒変身は更なる進化を遂げていた。
…そう、思っていたのだが。回していくうちに、いっちーの白単が頭をかすめる。圧倒的なスピードを武器に、精霊への挑戦でフィニッシュする、あのデッキを思うと、まさに苦花頼みと言わざるを得ないこのデッキを回す気には、どうしてもならなかった。
ならば、どうすればよいか。
最後に俺が見つけたデッキ…、それは、Trap Bridgeだった。
秘匿土地からエムラクール、祝★勝利。非常にシンプルかつ、極楽鳥、教主、コブラ、レリカリーという、どこかで見た強固なマナベース。これはいけるのでは…?
しかし、弱点はもちろんある。
それは、マナクリへの依存度の高さだ。このデッキにおけるマナクリは、ただのマナ加速と言うだけでなく、秘匿土地の解除要員も兼ねており、丁寧につぶされる、あるいは思考囲いで抜かれていくだけでも厳しい、そう感じた。特に、白秘匿を採用しながらも、1枚で解除できるため抜群の相性を誇る、幽体の行列をとれないところが気にいらなかった。また、手札に来たエムラクールを場に出すためとして、死裂の剣が採用されているものがあるようだが、自ら死ねる生物が落とし子トークンのみというのも気に入らない。
それならば、作ってやろうじゃないか。最高のTrap bridgeを!
そこで真っ先に思い浮かんだのは、みつひで青白にメインジェイス、そしてエムラ・土地、死裂の剣を配合することだった…、が、ちょっと何がしたいのかよくわからないデッキになってしまったため、一瞬でお蔵入りとなる。
白秘匿からエムラ先生をめくって祝★勝利!このコンセプトを実現させるためには、言うまでもなく大量の生物を展開していくことが必須となる。白秘匿解除と最も相性の良いデッキを考えたとき、自然に浮かび上がる一つの名前…、そう、白黒トークンである。この名前が出てきたとき、自分の中でなにかが弾けた。頭の中のジグソーパズルが、少しずつ埋められていくのを感じる。
メタゲームの間隙をぬって、燦然と光を放つそのデッキは…、白黒の装備ビートダウン。そう、パンダブレイドであった。
遂にスタンダードとエクステンデッドの壁を乗り越え、原点へ回帰したこのデッキこそ、グランプリの相棒として相応しい。当然白黒の十字軍の出番などはあるはずもなかろうが、それでも彼らは戻ってきてくれた。
こうした葛藤からの圧倒的な大発見(?)を遂げ、そのままのテンションでHanoiとシノレに話してみる。
俺「白黒トークンに、エムラつっこもうと思う」
Hanoi「マジキチwwww」
シノレ「ねぇよwww」
一笑に付された。ですよねー、などとその場の会話を終え、猥談を続ける中、俺は密かに考えていた。
見ておれ。俺のパンダブレイド改め、デッキ「パンダーZ」(なつかしい)が神戸を震撼させる瞬間をなっ!
家に帰って、早速調整を始める。
この段階でのレシピは以下のようなものだった。
流刑 3
戦隊の鷹 4
石鍛冶 4
苦花 4
喉首狙い 2
饗宴と飢餓の剣 1
幽体の行列 4
死裂の剣 1
審判の日3
遍歴の騎士、エルズペス 1
エルズペス・ティレル 2
叫び大口 2
エムラクール 4
悪臭の荒野 4
湿地の干潟 4
風立ての高地 4
反射池 4
秘技の聖域 4
平地 3
沼 1
しかし、MWSを使っての一人・二人回しを繰り返しているうちにどんどんパーツが入れ替わっていく。
エルズペス・大口・ラスは2大メタであるフェアリー・ヴァラクート双方に対してゴミであるため、一瞬で抜けていった。
次いで、戦隊の鷹もヴァラクートに対してあまりにも弱く、アウトとなる。
とにかく、トークンチャンプで時間を稼いでコンボを成立させる戦略が通用しない、ヴァラクートが鬼門だった。こちらの動きへの干渉は最小限だが、マナ加速するだけで相手を追い詰める。そして、オーメン・スケイプシフト、タイタンという10枚のキーカードさえ引ければ即フィニッシュという、Tier1に相応しい圧倒的な破壊力。しかし、この壁を乗り越えることができなければ、グランプリに出る資格などない、そう確信し、デッキを更に煮詰めていく。
こうして、自分の中で確立されたメタに合わせて、次々と入れ換えられていくメインボード・サイドボード。ヴァラクート相手には全体除去への耐性を飛躍的に高めるだけでなく、死裂の剣と強力なシナジーを発揮するブレンタンの炉の世話人4枚は必須だ。しかし、メイン採用には心許ない…。
この段階では、すでに大口が抜けてしまったため、メインボードで死裂を処理するためには、このまま3本差しの喉首狙いに賭けるしかないのか。そんな風に思っていたが、ふと、ある瞬間に思い出した。スタンダードトーナメントにおいて白黒トークンを駈り、連勝街道を突っ走っていた頃のあの男の姿を。
そう。
2010年度ミスターPWC、Hanoiだ。
「デッキをシェアしたダンカンが日本選手権予選を抜けた」、そう喜んでいた時に使われていた、白黒トークン…!
そこにヒントはあった。残念ながらスト大のリストは非公開となっていたが、よく覚えている。彼の使っていたレシピで、最も特異な点と言えば「湿地の飛び回り」の採用。そして、それこそがデッキの最大の長所だったではないか。
当時の採用理由としては、5枚目以降の幽体の行列、というイメージが強かったが、これこそが今の俺が探している、マスターピース。
1枚で白秘匿の解除条件を満たし、かつ死裂の剣の誘発条件もクリアする―――っ!!
探し求めていたパズルのピースが、また一つカチリとはまった。
こうして、湿地の飛び回りの採用によって、デッキパワーが大幅に上がった「パンダーZ」。
しかし、この記事を書いているのは19日・火曜日。十分、とまでは言えないが、当日まではまだ少し、時間はある。そうして最終調整を行った「完成品」を持って、俺はグランプリ神戸へと挑むだろう。
今なら言える!DNユーザーならば誰しもが知る、あの「誓いの言葉」を!!
俺は、このデッキで、優勝まで駆け抜けるっっ!!!
まどか★マギカの最終回放送!
などと、つい現実逃避したくなるのも、無理からぬことだろう。
まさに目と鼻の先へと差し迫ったグランプリ。俺は未だに自分のデッキを決めかねていた。渾身の(?)デッキであった、「Ad Affinity」が紛れもなく嘘リューションだった衝撃は大きく、一体どんなデッキを使うべきか、答えが出ない…。
フェアリー?ヴァラクート?
被災地を除き、県知事選から市町村議選のコンボを要するいっせい地方選挙が各地で取り組まれ、その煽りを受けて全く練習ができない。
果てはミサワ化して「休みないわ―、まじ俺今月休んでないわー」などと言い放って、周囲のヒンシュクを買う毎日である。そんな状況であてがいぶちにメタデッキを使ったところで、一体どれほどの結果が残せるというのか。
特にフェアリーについては、使えば使うほどうまくなるデッキだと聞く。裏を返せば、練習なしでうまくいくとは全く思えない。
流れゆく水のように、ただただ時だけが過ぎ行き、焦燥感が身を包む毎日。
そんな時、一件の明るいニュースが舞い込んだ。
「みつひでがPTQを抜けた」。
昨年度から日本選手権初日全勝、世界選手権出場、そしてプロツアープレイヤーへと成長しつつある彼を見て、ニート、ニートと囃し立てる者は、もういない。もはや、関東草の根を代表する若手プレイヤーの一人と言っても過言ではなかろう。
特に、彼がPTQを突破したデッキには目を見はるものがあった。白単に大胆にも青をタッチし、ヴェンディリオン三人衆と青コマを叩き込む。なるほど、と思った。
そこで得たものは、鷹および石鍛冶エンジンの強さを再認識したこと。特に、戦隊の鷹がエクテンレベルとは思っていなかっただけに、その構成は衝撃的だった。同時に、エクテンにおけるCaw-bladeが一線級のデッキパワーを持っている、という情報も遅まきながら入り、この間調整を進めていたスタンのCaw-bladeをエクテン仕様へとマイナーチェンジを施す。
しかし、遊びで回してもらったいっちーの白単に圧倒的な敗北を喫し(0-5)、晴れる屋大会でもフェアリー、同型に相次いで負け。
残念ながら、調整してどうにかなるレベルではない気がする。ピン除去が強く、それに対抗するかのように多くの生物を並べまくるエクテン環境は、スタンの微調整程度で乗り切れるものではなかった。そう認識を改め、新たなデッキの可能性を模索する。
だが、Ad Affinityが駄目、Caw-bladeが駄目という体たらくである…。次なる調整のネタもなく、なんとなくDeck checkで既存のアーキタイプの確認を行う。そこで、ふと目に留まったデッキ、それは浅原晃氏が世界中の度肝を抜いた、青黒変身であった。
そして、浅原晃氏と言えば、イニシャルAA。俺が最初に手を付けたデッキも略称AA…。この二つの符号が意味する物は、一つ…っ!!
何か運命的な物を感じ、青黒変身を回してみる。現在に再び姿を現したことにより、生体兵器という新たな剣を手に、青黒変身は更なる進化を遂げていた。
…そう、思っていたのだが。回していくうちに、いっちーの白単が頭をかすめる。圧倒的なスピードを武器に、精霊への挑戦でフィニッシュする、あのデッキを思うと、まさに苦花頼みと言わざるを得ないこのデッキを回す気には、どうしてもならなかった。
ならば、どうすればよいか。
最後に俺が見つけたデッキ…、それは、Trap Bridgeだった。
秘匿土地からエムラクール、祝★勝利。非常にシンプルかつ、極楽鳥、教主、コブラ、レリカリーという、どこかで見た強固なマナベース。これはいけるのでは…?
しかし、弱点はもちろんある。
それは、マナクリへの依存度の高さだ。このデッキにおけるマナクリは、ただのマナ加速と言うだけでなく、秘匿土地の解除要員も兼ねており、丁寧につぶされる、あるいは思考囲いで抜かれていくだけでも厳しい、そう感じた。特に、白秘匿を採用しながらも、1枚で解除できるため抜群の相性を誇る、幽体の行列をとれないところが気にいらなかった。また、手札に来たエムラクールを場に出すためとして、死裂の剣が採用されているものがあるようだが、自ら死ねる生物が落とし子トークンのみというのも気に入らない。
それならば、作ってやろうじゃないか。最高のTrap bridgeを!
そこで真っ先に思い浮かんだのは、みつひで青白にメインジェイス、そしてエムラ・土地、死裂の剣を配合することだった…、が、ちょっと何がしたいのかよくわからないデッキになってしまったため、一瞬でお蔵入りとなる。
白秘匿からエムラ先生をめくって祝★勝利!このコンセプトを実現させるためには、言うまでもなく大量の生物を展開していくことが必須となる。白秘匿解除と最も相性の良いデッキを考えたとき、自然に浮かび上がる一つの名前…、そう、白黒トークンである。この名前が出てきたとき、自分の中でなにかが弾けた。頭の中のジグソーパズルが、少しずつ埋められていくのを感じる。
メタゲームの間隙をぬって、燦然と光を放つそのデッキは…、白黒の装備ビートダウン。そう、パンダブレイドであった。
遂にスタンダードとエクステンデッドの壁を乗り越え、原点へ回帰したこのデッキこそ、グランプリの相棒として相応しい。当然白黒の十字軍の出番などはあるはずもなかろうが、それでも彼らは戻ってきてくれた。
こうした葛藤からの圧倒的な大発見(?)を遂げ、そのままのテンションでHanoiとシノレに話してみる。
俺「白黒トークンに、エムラつっこもうと思う」
Hanoi「マジキチwwww」
シノレ「ねぇよwww」
一笑に付された。ですよねー、などとその場の会話を終え、猥談を続ける中、俺は密かに考えていた。
見ておれ。俺のパンダブレイド改め、デッキ「パンダーZ」(なつかしい)が神戸を震撼させる瞬間をなっ!
家に帰って、早速調整を始める。
この段階でのレシピは以下のようなものだった。
流刑 3
戦隊の鷹 4
石鍛冶 4
苦花 4
喉首狙い 2
饗宴と飢餓の剣 1
幽体の行列 4
死裂の剣 1
審判の日3
遍歴の騎士、エルズペス 1
エルズペス・ティレル 2
叫び大口 2
エムラクール 4
悪臭の荒野 4
湿地の干潟 4
風立ての高地 4
反射池 4
秘技の聖域 4
平地 3
沼 1
しかし、MWSを使っての一人・二人回しを繰り返しているうちにどんどんパーツが入れ替わっていく。
エルズペス・大口・ラスは2大メタであるフェアリー・ヴァラクート双方に対してゴミであるため、一瞬で抜けていった。
次いで、戦隊の鷹もヴァラクートに対してあまりにも弱く、アウトとなる。
とにかく、トークンチャンプで時間を稼いでコンボを成立させる戦略が通用しない、ヴァラクートが鬼門だった。こちらの動きへの干渉は最小限だが、マナ加速するだけで相手を追い詰める。そして、オーメン・スケイプシフト、タイタンという10枚のキーカードさえ引ければ即フィニッシュという、Tier1に相応しい圧倒的な破壊力。しかし、この壁を乗り越えることができなければ、グランプリに出る資格などない、そう確信し、デッキを更に煮詰めていく。
こうして、自分の中で確立されたメタに合わせて、次々と入れ換えられていくメインボード・サイドボード。ヴァラクート相手には全体除去への耐性を飛躍的に高めるだけでなく、死裂の剣と強力なシナジーを発揮するブレンタンの炉の世話人4枚は必須だ。しかし、メイン採用には心許ない…。
この段階では、すでに大口が抜けてしまったため、メインボードで死裂を処理するためには、このまま3本差しの喉首狙いに賭けるしかないのか。そんな風に思っていたが、ふと、ある瞬間に思い出した。スタンダードトーナメントにおいて白黒トークンを駈り、連勝街道を突っ走っていた頃のあの男の姿を。
そう。
2010年度ミスターPWC、Hanoiだ。
「デッキをシェアしたダンカンが日本選手権予選を抜けた」、そう喜んでいた時に使われていた、白黒トークン…!
そこにヒントはあった。残念ながらスト大のリストは非公開となっていたが、よく覚えている。彼の使っていたレシピで、最も特異な点と言えば「湿地の飛び回り」の採用。そして、それこそがデッキの最大の長所だったではないか。
当時の採用理由としては、5枚目以降の幽体の行列、というイメージが強かったが、これこそが今の俺が探している、マスターピース。
1枚で白秘匿の解除条件を満たし、かつ死裂の剣の誘発条件もクリアする―――っ!!
探し求めていたパズルのピースが、また一つカチリとはまった。
こうして、湿地の飛び回りの採用によって、デッキパワーが大幅に上がった「パンダーZ」。
しかし、この記事を書いているのは19日・火曜日。十分、とまでは言えないが、当日まではまだ少し、時間はある。そうして最終調整を行った「完成品」を持って、俺はグランプリ神戸へと挑むだろう。
今なら言える!DNユーザーならば誰しもが知る、あの「誓いの言葉」を!!
俺は、このデッキで、優勝まで駆け抜けるっっ!!!
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